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エアコン2027年問題は本当?公式資料と実勢価格で検証
2027年4月から今のエアコンが使えなくなる、という話は誤りです。基準に届かない機種の製造や出荷が禁止されるわけでもありません。新しい省エネ基準が求める相手はメーカーで、家庭のエアコンを買い替える必要はありません(資源エネルギー庁)。
ただ、何も変わらないとも言えません。当サイト掲載の壁掛けの冷暖房エアコン28型番は、省エネ基準達成率がすべて74〜87%でした。価格比較サイトに載る新品の最安値を、ここでは新品実勢価格と呼びます。28型番のうち24型番の変化は、7月23日から11月1日までの中央値(真ん中の値)で-6.7%。基準が始まる2027年4月の前後は、まだ比べられません。
出回っている4つの話と制度の中身
| 出回っている話 | 制度の中身 |
|---|---|
| 今のエアコンが使えなくなる | 使えます。買い替えの必要もありません |
| 基準未満の機種は販売禁止になる | 製造や出荷を禁じる制度ではありません |
| 修理できなくなる | 基準が理由で修理できなくなることはありません。部品の保有期間はメーカーごとに製造完了後約10年と決められ、その間は修理できるのが一般的です |
| 値上がりする | メーカーによっては上がる可能性があります。価格は需給、性能、素材、製造や輸送の費用、各社の戦略で決まります |
資源エネルギー庁の2026年4月17日の記事をもとに整理しました。
「エアコン2027年問題」はSNSなどで使われている呼び名で、制度の名前ではありません。元になっているのは省エネ法のトップランナー制度。4つのうち、はっきり否定できないのは値上がりだけです。
基準は1台ごとの合否ではない
物差しはAPF
APF(通年エネルギー消費効率)は、1年間に必要な冷暖房の能力を消費電力量で割った値です。大きいほど省エネ。2027年度からの基準は、壁掛けの家庭用で冷房能力2.8kW以下なら6.6、寒冷地仕様なら6.2です。2.8kWを超えると、能力に応じた式で決まります(トップランナー基準)。
上がり幅は冷房能力と室内機の寸法で違います。室内機が幅800mm以下、高さ295mm以下の場合、今の基準は2.2kWで5.8、4.0kWで4.9。どちらも6.6へ上がるので、2.2kWは+13.8%、14畳用の4.0kWは+34.7%です。
見るのはメーカーの出荷の平均
評価するのは、メーカーが年度ごとに出荷した製品の、台数で重みをつけた平均です。平均は能力や寒冷地仕様などの区分ごとに取ります。基準より低い機種があっても、高い機種を多く出せば平均は上がります。
区分ごとに届かなくても、達成とみなす特例もあります。区分を合わせた平均が、各区分の基準値を同じように平均した値を下回らない場合です。

窓用と冷房専用は、この基準の対象外です。掲載型番では、窓用のCW-1626Rと冷房専用のRC-2226Rが当たります。
掲載28型番の達成率は74〜87%
100%に届いた型番はない
当サイトが載せている壁掛けの冷暖房エアコン28型番を、冷房能力ごとに並べました。達成率は、基準値に対してAPFが何%かを示す数字です。
| 冷房 能力 | おもな 畳数 | 型番 数 | APF | 基準値 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2.2kW | 6畳 | 11 | 5.8 | 6.6 | 87% |
| 2.5kW | 8畳 | 4 | 5.8 | 6.6 | 87% |
| 2.8kW | 10畳 | 5 | 5.7〜5.8 | 6.6 | 86〜87% |
| 4.0kW | 14畳 | 3 | 4.9〜5.0 | 6.6 | 74〜75% |
| 5.6kW | 18畳 | 3 | 5.0 | 6.3 | 79% |
| 6.3kW | 20畳 | 1 | 5.0 | 6.1 | 81% |
| 7.1kW | 23畳 | 1 | 4.5 | 5.9 | 76% |
APFと達成率は価格比較サイトの仕様欄を11月2日に読んだ値。基準値は寒冷地仕様以外の式で計算しました。

掲載の30型番は、7月23日の売れ筋順位から選んだものです(窓用と冷房専用を含む)。エアコン全体の割合ではありません。メーカーごとの出荷全体の平均も見つけられませんでした。低価格帯をどれだけ残すかは、今回読んだ公式資料からは分かりません。
年式も手がかりになりません。番号が1つ違いで2025年モデルと2026年モデルに分かれる掲載の7組は、APFがすべて同じでした。RAS-AJ2225SとRAS-AJ2226Sはどちらも5.8。11月1日の新品実勢価格も46,209円と46,000円で、ほぼ同じです。
達成機種との差を1組だけ比べる
パナソニックの2026年モデルで、どちらも6畳用、家電量販店モデル、自動お掃除なし、ナノイーX搭載の組です。11月2日の新品実勢価格は、達成率87%のCS-226DJR-Wが60,000円(18店)。100%のCS-C226D-Wが140,800円(13店)で、2.35倍の開きです。
資源エネルギー庁の試算では、新基準の機種の光熱費は今の基準より安くなります。6畳用で年約2,760円、14畳向けで年約12,600円。14年で約4万円と約18万円です。家庭の環境や使い方で変わる数字です。この組の差額は80,800円でした。ほかの機能の差も含む1組だけの比較で、差が今後どう動くかは分かりません。
新品実勢価格は夏から秋に下がった
24型番の中央値は-6.7%
新基準の対象になる壁掛け28型番のうち、7月23日と11月1日のどちらも新品を扱う店が5店以上の24型番を追いました。店が少ない型番は、1件の出品で価格が大きく動くためです。
7月23日から11月1日までの変化率は、中央値で-6.7%。上昇2型番、下落22型番です。途中の中央値は、9月6日が-3.6%、10月4日が-4.7%でした。1日でも動く数字で、同じ24型番を11月2日の価格で計算すると-4.8%になります。
24型番で最も下げたのはS406ATEP-Wで、114,800円→95,800円(-16.6%)。最も上げたのはAS-C405Sで、77,000円→88,980円(+15.6%)。AS-C405Sは、新品を扱う店が29店から5店へ減っています。2.2kWの11型番で最も安い新品実勢価格は、7月23日も11月1日も46,000円でした(型番は別)。
夏から秋の動きで、季節の影響は分けられていません。データは2026年7月からなので、前年との比較もなし。この数字から「値上がりはない」とは言えません。
出荷は増えている
9月のルームエアコンの国内出荷金額は879億円で、前年比148.0%、13か月連続のプラスでした。4〜9月の合計は上期として過去最高です(日本電機工業会)。
出荷数量も上期として過去最高の732万3千台。理由には、省エネ法の目標年度を前にした需要の高まり、自治体の補助金、猛暑が挙げられています。1〜6月についても同じ趣旨の報道があります(日刊工業新聞)。要因ごとの内訳は、どちらにも示されていません。
手元のエアコンはどうするか
新基準を理由に急がなくてよい
買い替えの義務はなく、基準が理由で修理できなくなることもありません。新基準で中古の値段が上がるか下がるかを示すデータも、当サイトにはありません。掲載の買取価格は新品実勢価格から計算した目安で、買取実績ではないからです。たとえばRAS-AJ2225Sの最高買取価格(新品未開封の場合)は、11月1日時点で35,900円です。
新しく買うなら、同じ畳数、同じ機能どうしで比べてください。省エネ性マークは、基準を達成した機種が緑、未達成の機種がオレンジです。
手放すなら型番を2つ控える
室内機と室外機の銘板で、それぞれの型番を読みます。場所は大型家電の型番の見つけ方にあります。取り外しは販売店か専門業者へ頼んでください。配管を自分で外すと、冷媒が大気へ漏れるおそれがあります。
受付の可否は、申し込む前に無料査定で番号と取り外しの状況を伝えて尋ねてください。掲載の30型番はエアコンの一覧から探せます。型番ページで買取価格の目安を見られます。窓用と冷房専用を除く28型番は、APFも載せています。
情報確認日:2026年11月2日
価格データの取得日:2026年11月1日