時事
メモリ高騰はどこまで?DDR5とDDR4の値動きを実測
2026年7月18日から11月1日までに、DDR5メモリの新品実勢価格は中央値で25.8%上がりました。集計したDDR5の82型番のうち、75型番が値上がりです。DDR4は47型番で3.4%でした。
ただ、DDR4も一律に落ち着いているわけではありません。合計32GBの型番に絞ると、20型番の中央値は17.8%。同じ「メモリ高騰」でも、規格と容量で上がり方がかなり違います。
DDR5は82型番中75型番が値上がり
当サイトは、掲載している全型番の新品価格を毎週取り直しています。価格比較サイトに載る新品の最安値を、ここでは新品実勢価格と呼びます。
メモリは150型番の価格を7月18日に初めて取りました。このときは価格比較サイトのメモリ全体をまとめて取得しました。毎週の取得は、8月以降に型番ページを公開してから始めています。150型番のうち、11月1日にも新品価格が載っていた130型番で、7月18日と11月1日の変化を規格ごとにまとめました。
| 規格 | 型番数 | 中央値 | 上がった | 下がった | 同じ |
|---|---|---|---|---|---|
| DDR5 | 82 | +25.8% | 75 | 4 | 3 |
| DDR4 | 47 | +3.4% | 30 | 9 | 8 |
7月18日と11月1日の新品実勢価格の比較。中央値は、変化率を小さい順に並べたときの真ん中の値です。DDR3の1型番(変化なし)は表から外しました。
扱う店が多い型番に絞っても同じ向き
新品を載せている店が少ない型番は、1件の出品で価格が大きく動きます。11月1日に5店以上が新品を載せていた型番だけで数え直すと、DDR5は10型番で+30.0%、10型番すべてが値上がり。DDR4は14型番で+1.5%でした。
合計容量が大きいほど上がった
同じ規格の中でも、合計容量で分けると差が出ます。2枚組なら2枚の合計で、1枚だけの単品はその容量で数えました。

DDR5の48GB以上は24型番で+40.8%。DDR4は16GB以下の26型番がほぼ横ばいで、32GBの20型番は17型番が上がりました。DDR4の47型番のうち26型番は、合計16GB以下の構成です。
ノートパソコン用でもDDR5が上がった
ノートパソコン用の小さな形(SO-DIMM)と、それ以外に分けても数えました。
| 規格 | 形 | 型番数 | 中央値 |
|---|---|---|---|
| DDR5 | ノート用 | 12 | +32.8% |
| DDR5 | デスクトップ用など | 70 | +23.8% |
| DDR4 | ノート用 | 14 | +0.3% |
| DDR4 | デスクトップ用など | 33 | +8.8% |
7月18日と11月1日の新品実勢価格の比較。ノート用のDDR5は12型番のうち10型番が上がりました。「デスクトップ用など」には、サーバー向けのRDIMMなど4型番を含みます。
同じ32GBでDDR5とDDR4を比べる
同じメーカーの、デスクトップ用の16GB×2枚組で並べました。

値上がりの額は、DDR5が15,561円、DDR4が2,820円です。1GBあたりの新品実勢価格も出しました。DDR5の82型番の中央値は2,241円から2,890円、DDR4の47型番は1,124円から1,278円です。
次の表は、7月18日から追っているデスクトップ用の2枚組のうち、11月1日に9店以上が新品を載せていた7型番です。
| 型番・構成 | 7月18日 →11月1日 | 変化 |
|---|---|---|
| W5U5600CS-16G DDR5-5600 16GB×2枚 | 58,284円 →73,845円 | +26.7% |
| W5U5600CS-32G DDR5-5600 32GB×2枚 | 99,979円 →149,700円 | +49.7% |
| W5U4800CS-8G DDR5-4800 8GB×2枚 | 37,800円 →40,500円 | +7.1% |
| W4U3200CS-16G DDR4-3200 16GB×2枚 | 31,980円 →34,800円 | +8.8% |
| CMK32GX4M2E3200C16 DDR4-3200 16GB×2枚 | 35,485円 →38,980円 | +9.8% |
| W4U3200CS-8G DDR4-3200 8GB×2枚 | 17,400円 →18,000円 | +3.4% |
| W4U2666CS-8G DDR4-2666 8GB×2枚 | 20,280円 →20,790円 | +2.5% |
新品実勢価格。買取価格ではありません。
値上がりの背景と見通し
生産がAIサーバー向けに回っている
調査会社のTrendForceは、DRAM(メモリに使う半導体)の供給が足りない状態が続くとみています。メーカーが、高性能なサーバー向け製品に生産を優先しているため、としています。10〜12月期の契約価格は、前期比10〜15%の上昇という予測です。契約価格は半導体メーカーと大口の取引先との間の価格で、店頭の価格とは別のものです。
2027年は、サーバー向けへの移行でパソコン向けの供給が減る可能性もあるとしています(TrendForce、9月30日)。当サイトのデータは店頭の最安値なので、こうした動きとの因果までは確かめられません。
一般向けの販売から手を引いた例もあります。Micronは2025年12月、一般向けブランドCrucialの事業からの撤退を発表しました。一般向けの出荷は2026年2月まで。AIで伸びるデータセンター向けに供給を回すためとしています。当サイトに載っているCrucialの5型番のうち、4型番は11月1日も新品価格が載っていました。
直近2週間はゆるやか
当サイトの直近のデータでは、10月18日から11月1日までの2週間で、DDR5の81型番は中央値で+1.0%でした。上がったのが44型番、下がったのが19型番、同じ値が18型番。DDR4の41型番は0.0%です。2週間だけの数字なので、ここから先の向きは読めません。
いつまで続くかの見通し
2027年に新しい生産設備を動かし始める計画のメーカーが複数あります。ただ、生産量に大きく効くのは2028年とTrendForceはみています(TrendForce、7月30日)。SK hynixは10月の決算発表で、需要が供給を上回る状態が2030年まで続くとの見通しを出しました。どちらも予測で、当サイトが確かめたものではありません。
この数字に入っていないもの
新品価格が消えた20型番
7月18日に価格を取った150型番のうち、20型番は11月1日に新品価格が載っていませんでした。内訳はDDR5が10、DDR4が9、DDR3が1。在庫が切れただけか、販売を終えたのかは分けられません。値上がりしてから載らなくなった型番もあり、上の集計には入っていません。
期間と価格の性質
データは7月18日からで、それより前の値動きや季節の影響とは分けられていません。10月29日に追加した30型番も、期間が短いので外しました。数字はすべて新品の最安値で、中古の取引価格や買取の実績ではありません。
手元のメモリを売るときに見ること
当サイトの参考買取価格は、新品実勢価格をもとに計算した目安です。週に1回価格を取り直しているので、新品実勢が動けば掲載額も動きます。
上がり方は規格と合計容量で違いました。番号から規格と枚数を読み取る方法は、メモリの型番の読み方にまとめています。読み取った番号でメモリの一覧を探すと、その型番の価格の推移もグラフで見られます。
情報確認日:2026年11月5日
価格データの取得日:2026年11月1日